「僕たちの使い方マニュアル」発行に当たり
「困ったときはお互い様」、この言葉が私達の活動原点です。
新潟の被災地で炊き出しを行ったとき、被災者の方から「遠いところから、わざわざ来てくれて有難う」との言葉を何度も投げ掛けていただきました。
そんな時、私達の口から自然に出た言葉が「困ったときはお互い様。」でした。
それを聞いた、被災者の方々からは、「今度何処かで同じような天災が有ったときは、私達も新潟から炊き出しに行くから。」
とても気持ちが温かくなる会話でした。
環境問題等に取り組む団体は、環境が困っている問題を直視し、環境を大切にすることで、子供の代、
孫の代に環境から返される声なき恩恵を夢み、活動しておられると思います。
言い換えれば、非常に長い視野で「困ったときはお互い様」精神を発揮していると、私は感じています。
それに引き替え、我々の活動は短絡的で、性急な結果を求めていると感じる方がおられるかもしれません。私自身そう感じた時がありました。
しかしながら、中越地震での炊き出しは、我々が普段趣味で行っている野外調理技術を生かした活動でしたし
、参加したメンバーが個々に感動を体験しました。
その感動の中に、自分たちが出来る身近なことを、自分たちが楽しみながら、息の長い活動を、
真面目に取り組んでゆく、そんな活動の一環として「僕たちの使い方マニュアル」を発行した次第です。
今考えてみると、中越地震での炊き出しは、日々のメニューに悩み、調理機材に悩み、食材集めに奔走した不安だらけの中での活動でした。
今般、日本調理科学会様の御協力を得て、バランスの取れたメニューが完成し、仲間達と共に調理実験を重ね、
埼玉県NPO活動推進助成を頂き、第一版「僕たちの使い方マニュアル」が発行できることは、望外の喜びです。
私達NPO-CAMPERの活動は、生涯訓練で終わることが理想です。 しかしながら不幸にして被災し、
災害ボランティアセンターを立ち上げる事となった時、私達を有効に使っていただくために、このマニュアルを作成いたしました。
「僕たちの使い方マニュアル」発行に当たり、仕事が終わった夜からの研究会議に毎回参加していただき、
2週間メニューを考えていただいた日本調理科学会の先生方。
大量調理訓練は食べてくれる人がいないと出来ない、そんなお願いを聞き入れ、訓練の場をご紹介いただいた埼玉県NPO活動推進課の皆様。
我々の活動をご理解いただき、物心両面から支えていただいた協賛企業の皆様。
自分たちのイベントに私たちを呼んでくれた各種団体の皆様、そして寒い中、炊き出しテントの前に並び、大量調理訓練で試食してくれた仲間たち。
全ての皆様に、心より感謝申し上げます。
最後に、一人で突っ走る私を、陰から支えてくれた各会員・理事に対し、御礼申し上げます。
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